「全ての仕事がプロジェクトになりうる時代」になった今、いくつものプロジェクトを発足させ、いくつものプロジェクトに身を置いている人も多いのではないでしょうか?
今日は、プロジェクトを開始する際に必ず行う「キックオフミーティング」を執り行う際に、PM(プロジェクトマネージャー)としてどこに注意し何に注力して準備をすべきか。過去、筆者が出たプロジェクトのキックオフミーティングを参考に振り返ってみたいと思います。
ウォーターフォール型で既に計画ができあがっているプロジェクトのキックオフと、現代社会で増えているアジェイル型ですすめるプロジェクトのキックオフでは、ポイントが大きく異なるため、今回は、アジェイル型で進むプロジェクトのキックオフで大切なことをまとめたいと思います。
私の経験から、キックオフミーティングは、今後のプロジェクトの行く末を暗示する大事な場です。成功するプロジェクトのキックオフは、振り返るととてもうまくいっており、プロジェクトメンバー全員の士気が高まっている状態になっています。逆に、空中分解するプロジェクトは、振り返るとキックオフから失敗していたのです。
プロジェクトの進捗にいい影響も、悪い影響も与えてしまう大切な場なので、PM(プロジェクトマネージャー)になったら、まずはキックオフミーティングの準備に自分の思いを詰め込み、キックオフには拘りぬきましょう!
それが実はプロジェクト全体の成功に繋がるからです。
そもそも、キックオフとは何か
プロジェクトを開始する際に、プロジェクトメンバーや、プロジェクトのレビュワーなど、プロジェクト関係者が一堂に会する打ち合わせをすることをキックオフミーティング(以下キックオフ)と呼びます。
一般的には、サッカーの試合開始時にボールを蹴り出すことをいい試合開始を意味しますね。
キックオフの目的は意外と沢山あります。
- プロジェクトの方向性を示す
- プロジェクトの体制図を示し、役割を説明する
- スタート段階で現在見えているプロジェクトに必要な情報を伝える
この3つが最重要です。
その他
- チームの顔合わせとして自己紹介の場とする
- プロジェクトメンバーの士気を高める
- メンバー同士の交流をする
- プロジェクト管理に使う共通のツールや、仕事の進め方を周知する
などもアジェンダとして組み込まれていることが多いように感じます。
キックオフの準備の際には、上記の必要項目を抑えておきましょう。
失敗するプロジェクトのキックオフ
筆者が経験してきたキックオフの中でも、この後のプロジェクト進行が心配になると感じられたものがいくつかあります。いくつか挙げてみたいと思います。
①PM(プロジェクトマネージャー)若しくは、プロジェクトオーナーに「思い」がないキックオフは危ない
アジャイル型のプロジェクトを進行する場合、進め方やタスクなど、プロジェクト開始の時点で、実は詳細まで決まっていないということは多々あります。ただ、どんな未知の課題に立ち向かうプロジェクトであっても、「なぜ」このプロジェクトが今必要で、このプロジェクトが成功した暁には「こういう状態になっていたい」という意思や思いがありプロジェクトはスタートします。
にもかかわらず、PM(プロジェクトマネージャー)やプロジェクトオーナーから「プロジェクト発足に際しての熱い思い」ないしは「責任感」が伝わってこないものは、ほぼ確実に失敗します。PM(プロジェクトマネージャー)は重要な意思決定や、時には二律背反する状況に対峙しものごとを進めます。決意がなく、受け身なPM(プロジェクトマネージャー)にはそのような決定をする覚悟もスキルもなく、プロジェクトは空中分解する確率が高いといえるでしょう。
②しーんとしてるキックオフは危ない
先にも述べましたが、アジャイル型のプロジェクトを進行する場合、進め方やタスクなど、プロジェクト開始の時点で、詳細まで決まっていないということは多々あります。
そのため「問題が発生した場合」や「細かい疑問がでてきた場合」が頻発します。これらを解決するため、メンバーはプロジェクト進行の過程で沢山の議論を重ねていきます。
「なぜ?どうして?どうやって?」など、キックオフの段階で質問が沢山出てくるプロジェクトはPM(プロジェクトマネージャー)に質問がしやすい環境であったり、PM(プロジェクトマネージャー)が答えを探してくれる、もしくは一緒に考えてくれる、そうメンバーが思えている状態や体制、雰囲気が醸成できています。
逆にプロジェクトスタートの段階で、しーんとなにも質問がでてこないようなキックオフは、今後もしーんとして、最終的には空中分解してしまうことが目に見ています。
③やたらメンバーの自己紹介が長いキックオフは危ない
メンバー同士の相互理解、信頼関係の醸成が、プロジェクトの成功の大きなカギを握るというのは有名な話です。しかし、だからといって、キックオフというプロジェクトスタートのための重要な会議体で、かつ、限られた時間内で自己紹介に多大な時間が取られているというのはかなり危険です。そのようなプロジェクトには、以下のような問題が潜んでいる可能性が高いです。
- キックオフで伝えるべきことが何も具体的に決まっていない
- 仲良しサークル的に仕事を進めたいPM(プロジェクトマネージャー)で統率力がなくメンバーまかせ
- PM(プロジェクトマネージャー)がキックオフのコンテンツを何も考えてこなかった
- 自己紹介しているうちになんとかなるだろうという他力本願なPM(プロジェクトマネージャー)
最初に書いたように、キックオフでは伝えるべき重要アジェンダが沢山あります。それらが終わった後、時間を決めてまずは簡潔に自己紹介を行い、その後、親睦会を開くなどが良いでしょう。
後編は成功の秘訣を掲載します!お楽しみに!