プロジェクトに参画することになると、通常キックオフミーティングの場で、今後の「定例会議」の日程を決めることが多くなります。
長期的なプロジェクトの場合は月に1回の場合もありますし、短期決戦のプロジェクトの場合は、週2回、あるいは、毎週や隔週、といった間隔で、日程が事前に組まれます。
あなたが参画しているプロジェクトにも定例会議があるのではないでしょうか?そして、その定例会議は「単なる進捗報告の場」になっていませんか?
数多くのプロジェクトに参画してきた筆者の経験から、定例会議が「単なる進捗報告の場」になっているプロジェクトは黄色信号だと断言できます!
「全ての仕事がプロジェクトになりうる時代」になった今。そしてWithコロナ時代に突入した今。不確定要素が多い時代のプロジェクトの定例会議が、単なる進捗報告の場になっているようでは、プロジェクトの成功は難しくなってきています。
そこで、現代社会で増えているアジェイル型ですすめるプロジェクトの定例会議で大切なことをまとめたいと思います。
まず前編として、PM(プロジェクトマネージャー)として知っておくべきポイントと定例会議前の準備について書きたいと思います。
忙しいプロジェクトメンバーの全員が参加する定例会議は、ポイントをきちんと抑えて開催することでプロジェクトを成功へと導きましょう!
進捗報告だけの定例会議ではプロジェクトが成功しない理由
定例会議とは、決まった日時、曜日に定期的に開催される会議のことをいい、アジェンダとしては、そのときの状況を確認したり、方針を話し合ったりするというのが一般的です。
この定例会議において、プロジェクト開始時に決められているスケジュールに沿って、担当者のタスクが順調に進んでいるという完了報告、若しくは、スケジュールに遅れている場合も、遅れている理由とそれに対する打ち手、いつ挽回できるのかを担当者が発表するだけ、という運営方法を取っているプロジェクトは多数ありますが、そんな定例会議を行っているようでは、この時代のプロジェクトの進行は失敗するでしょう。
なぜなら、現代社会においては、コロナのような外的要因でゴールの変更を迫られたり、予算の削減が必要になったり、いまだゴールに向けた解決方法がわかりきっていないプロジェクトも多数存在し、そのようなアジェイル型で進むプロジェクトにおいては、単なる報告だけをする定例会議など意味がないからです。
アジャイル型のプロジェクトにおいては、プロジェクト始動時にひかれたスケジュールやタスクを進める中で出てきた新たな発見・課題への対処方法を考え、再度スケジュールに落とすことを繰り返しながらプロジェクトの成功に近づくのです。
定例会議ではその課題の解決に向けたアジェンダが必要であり、単なる進捗報告だけでは事足りません。
アジャイル型プロジェクトでは定例会議の前の準備段階が超重要
プロジェクト始動時のスケジュールやタスクを進めているうちに、当初の目論見がずれてくる、ギャップが生じてしまうのは、アジャイル型プロジェクトでは当たり前のことである!ということを前提に定例会議のアジェンダを考えましょう。その前提にたってアジェンダを考えることができればプロジェクトは成功に近づきます。
また、出てきた課題に対して、全てをプロジェクトメンバー全員と会議体をもって(ひどい場合は議論は対面と決めつけている会社もいまだありますね汗)議論していては、プロジェクトは永遠に進みません。
アジャイル型プロジェクトにおいては、各タスク担当者は、課題がでてきたら下記の準備をしましょう。
【定例前の各タスク担当者の準備】
- 出てきた課題を整理する
- でてきた課題を明確にする
- それらの課題に対して対応策を検討する
- 対応策の選択肢を出しておく
- 必要な場合はその課題をわかりやるい資料を作って説明できるようにしておく
もちろん、タスク担当者だけでは、そこまで取組めない場合は、PM(プロジェクトマネージャー)とタスク担当者とで事前に打ち合わせの場を儲けたり、オンラインでやりとりをしておくことは必須条件となります。
定例会議前のPM(プロジェクトマネージャー)に必要な動き
アジャイル型プロジェクトにおいて、各タスク担当者がタスクに取組む中で出てきた課題は、上記で述べたように定例会議の前に「課題が整理され明確になっている」「課題の対応策が検討されている」「課題の対応策の選択肢がある」という下準備が終わった状態になっている必要があります。PM(プロジェクトマネージャー)は定例前に各担当者がこの状態になっているようにプロジェクトを指揮するようにしましょう。
そのため、定例会議の前段階で各担当者と個別に時間を取ることがPM(プロジェクトマネージャー)としては必須となります。定例会議前に各担当者と、課題が出ていないか。出ている場合はどうしてその課題が新たにでてきたのか?などの仮説は考えられているか。などを話合い、解決のための対応策をいくつか提示できる状態にしておきましょう。
全体像を把握しているPM(プロジェクトマネージャー)は、チームメンバー全員がその課題の本質が理解できるかどうかを見極め、課題そのものを説明する資料が必要かどうかも含めて、指示をしておきましょう。
前編では、PM(プロジェクトマネージャー)として知っておくべきポイントと定例会議前の準備についてまとめてみました。後編では成功するアジャイル型定例会議のアジェンダを書いていきます!