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プロジェクト進行の基本となる型を抑えよう

2020年7月1日

「全ての仕事がプロジェクトになりうる時代」に突入した現代では、様々なプロジェクトが存在しています。事前にある程度の計画や施策の目途が見えているプロジェクトもあれば、課題解決の方法がまだみつからないまま、目標に向かってとにかく始動しよう!とはじまっているプロジェクトもあり、ひとことでプロジェクトといってもかなりの幅があります
このように、様々なプロジェクトが存在するということは、PM(プロジェクトマネージャー)やプロジェクト参画メンバーは、プロジェクトごとに、毎回0ベースでプロジェクト進行を考えなきゃいけないということでしょうか?
答えはNoです。どんなプロジェクトであっても、プロジェクト全体像には基本となる型が存在しています。
基本となる型を理解し、自分が参画するプロジェクトではその型を応用することで、PM(プロジェクトマネージャー)やプロジェクト参画メンバーとして、力を発揮しましょう!

プロジェクトの全体像

どんなプロジェクトであっても、以下のフローを意識することが基本の形となります。
IT開発や製造業をイメージする用語となっていますが、ありとあらゆるプロジェクトにも応用して考えることが可能な概念です。

【プロジェクトの基本フェーズ6つ】
①企画・計画
②要件定義
③設計
④製造
⑤テスト
⑥検収


【それぞれのフェーズのポイント】
①企画・計画
プロジェクト着手前に、課題・理想像・目的などを明らかにし、活用できる資源や制約(納期・予算・人的リソース)を整理すること

 

②要件定義
企画・計画を実現するための何を、どうやって、実現させるか。どのような機能が必要かを決めること

 

③設計
実際の成果物のサイズ感や構造、仕組みを決めること

 

④製造
設計で決めたルールや手順にしたがって成果物を具体的に作る、具現化すること

 

⑤テスト
当初決めた企画・計画で出た目標に合致しているかどうか確認すること

 

⑥検収
完成品である、完成したサービスであると認められること

(参考:プロジェクトマネジメント標準PMBOK入門 PMBOK第6版対応版)

 

プロジェクトとして組閣されたものは、最初の段階で全てこれらの型にあてはめて全体像を俯瞰して考えていきましょう。

ウォーターフォール型を知る

プロジェクトの基本の型を、①~⑥まで順番にスケジュールを組んで進める方法をウォーターフォール型と呼びます。上から下に水が流れるイメージから名付けられています。覚えやすいですね。
ウォーターフォール型は、各工程が終わるまで次には進まず、かつ前の工程には戻らないという特徴があるため、メリットデメリットもはっきりしています。
なんといっても、プロジェクトがスタートした時にきっちりと要件を定義し、詳細に落とし込んでいくので、最初にやるべき事項を洗い出してスケジュールを立てやすいのが最大のメリットとなります。そのためプロジェクトの進捗管理も比較的スムーズにいきます。
このプロジェクトの進め方を取ると、それぞれの工程がきちんと終わってからしか次の工程に進まないため、品質管理もしやすく、メンバーが入れ替わってもキャッチアップしやすいのも特徴です。人材不足や副業・複業でのプロジェクト参画が増加すると想定される現代のプロジェクトのリソース確保においては有用だと考えられます。
ただし、プロジェクトをスタートさせてみてはじめて出てくる制約条件や、はじめて気づいた視点、突発的に発生した競合の情報など、不確定要素が多い状態でのプロジェクトをウォーターフォール型で進めようとすると、全然プロジェクトが進まない。そもそもプロジェクトが組閣できない。なんてことすら起こりそうです。
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アジャイル型を知る

アジャイル型とは、途中で要件が変わってしまうことを織り込んで、事前に計画を確定できないときには、課題を都度発見をしつつ、手探りでもプロジェクトを進行させていくことを前提としたプロジェクト進行の型になります。短いスパンで各工程を回しつつ進めます。ウォーターフォール型のように、工程が終わってから次に進むということを取らない型になります。

「全ての仕事がプロジェクトになりうる時代」のプロジェクトには非常に有効なプロジェクト進行の型となります。

しかし、アジャイル型を取っているプロジェクトだからという理由や、不確定要素が多い計画なんだから、何も決まっていないのはしょうがないの精神で、プロジェクトを進めようとすると、混乱を招き、プロジェクトが崩壊してしまう危険性を秘めています。

PM(プロジェクトマネージャー)には、プロジェクト参画メンバーの目線を合わせて進めるという、難易度の高いマネジメントスキルが求められます。

まとめ

Withコロナ時代の到来で、突発的に起こった課題を、はじめて組んだチームメンバーと共に、プロジェクト化した仕事が増えました。このことから、今後はアジャイル型でプロジェクトを進めることがほとんどになってくるでしょう。全てをきっちりと計画をたて進めることはできないものの、ウォーターフォール型のメリットと、アジャイル型のメリットを取り入れ、全体的な進行は手順に沿って進めるが、都度出てくる課題などの部分的なものは、細かく修正を加えること前提で進めるというハイブリット型プロジェクト進行のスキルを身に着けることが、現代社会では求められそうです。